ゲーム開発の仕事の1つに「仕様作成」があります。
──そもそもコレ、何のために作るんでしょう。
組織の仕事って「やるからやる」とか
「資料作成のための資料作成」みたいなのが山ほどあるので、
それと同じに見られることもままあります。
ゲームの規模が大きくなければ、仕様書なくてもゲーム作ることはできます。
でも個人的には、仕様書はあったほうがいいと考えてます。
理由は3つです。
①実装前に全体を(それなりの粒度で)見渡すことができる
実装に掛かる時間、必要なスキルが予想できます。
作りながらだと、この部分が行き当たりばったりになりやすくて
結果壁にぶつかったときに手の打ちようがなくなったりします。
②自分以外の実装メンバーに、作るモノを伝えるコストが下がる
ゲームの内容を全部覚えて、
チームメンバーひとりひとりに口頭で説明するのは時間が掛かります。
仕様書という形になっていれば「読んどいて」で終わります。
③デバッグに必要
テストプレイで違和感があったとき
「普通こうならないよね、こうなるよね」では
終わらないことが増えてきました。
このゲームにおいてはこの動作が正常、仕様通り、というのを
書いておかないと、仕様作成者しかデバッグができなくなります。
(そもそも仕様書無しではデバッグ会社さんが受けてくれない……)
ただこれらって、
実際にそれなりの規模のゲームを作ってみないと
実感できないことでもあります。
作ってみて「調整」
(この言葉非常に危険だけども、それも作ってみないと実感できない)
すればいいんだ、と言われると
「まぁそうなんだけど(ごにょごにょ)」となりますし。
僕は相当ゲーム好きで、
作りたくて仕方ないほうだったので
「ゲームには仕様書が必要です!」って言われたら
「そうなんですね!じゃあ書き方学んできます!」
だったのだけども
そうじゃない向きもいるわけで。
そういうときにどう伝えるのか、というのが
学校や後輩に話していて感じることでもあります。
これって仕様に限らずで──
仕事のどのフェイズも同じで、
・その仕事が何のために存在するのか
・その仕事の前後にはどんな仕事が存在するのか
・どんなアウトプットが求められているのか
を伝えるほうがいい、と思うようになりました。
それがないと仕事が作業になって、
時間が無限に溶けていくと思うのです。
(仕様書って完成しないから)
……といういろんな大前提があって、
さて「仕様書の書き方」を話しましょう、になります。遠い。