その世界ではかつて、おとなになるまでに、
ひとりひとつの魔法を身につける習わしでした。
たとえば──
ホイミを選んだら、
体調の悪い人や怪我をした人のところに行って回復させます。
最初は先輩と一緒ですが、
やがて一人で現場を回り、
経験を積みながら、後輩の指導に当たることになります。
しかし、いつからか、
仕事では複数の魔法が要求されるようになりました。
ホイミとベホイミとベホマとベホマラーとベホマズンが使えないと、
そもそも仕事になりません。
けれど、おとなたちは、そんな魔法を知りません。
教えることもできませんでした。
なので、昔と変わらず、ホイミを教え、
あとは仕事をしながら磨いていけ、と若者に伝えます。
現場では、数々の魔法を使いこなす者たちが活躍しました。
そのおかげで、世界はより便利になりました。
──でも、ホイミの出番は減りました。
誰も要求しないからです。
そりゃベホマかけてもらったほうがいいです。
っていう寓話を思いつきました(オチはありません)。
解決方法は試行錯誤中です。
スキルという意味ではレベリングして覚えればいいんだけど、
それやるとキリがない&やりたいのか?という疑問が残ります。
じゃあどうしたらいいのか。
最強レベルのチートツール、「環境」かなあ。